beipana

スチールギターを用いたレトロなハワイアン・サウンドとモダンな質感をミックスしたチルアウト音楽を制作。近年SNSで披露している『ハワイアン+ローファイ・ビーツ』による演奏動画は、機材メーカー『ROLAND』のインスタグラムのグローバルアカウントで紹介された。2022年はフランスのオンライン・フェスティバル『Lofi Festival』にも参加。https://linktr.ee/beipana

【お知らせ】Soundmainにローファイ・ハワイアンに関するインタビューが掲載されました

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beipana

Soundmain(サウンドメイン)のブログに、ローファイ・ハワイアンというスタイルで作った作品に対するインタビューが公開されました。

 

blogs.soundmain.net

Soundmainについて

Soundmain(サウンドメイン)は、ソニーミュージックが運営するプラットフォームです。音楽制作から配信・収益化までを最新技術で支援することを目的としています。ブログでは、DTM・音楽関連テクノロジー著作権処理などに関する記事が随時公開されています。

インタビューの内容

今回は、制作者の立場として主に「トラックメイキングと録音」という趣旨でインタビューを受けました。

youtu.be

おおまかに3つくらいのテーマに分かれています。

ローファイ・ヒップホップとわたし

ローファイビーツと自身で奏でるラップスティール・ギターのハワイアン音楽をミックスした作風について、コンセプトや制作面での工夫、日々のSNSでの演奏動画活動についてお話ししています。

ラップスティール・ギターとわたし

なぜラップスティール・ギターを演奏しているのかお話ししています。制作者目線の話が多いです。

SNSの演奏動画とわたし

上記コンセプトにたどり着いたのが、SNSでの演奏動画によるもの。ほぼ毎週1年半ほど続けている1分未満の演奏動画についてお話しています。

 

以下、インタビュー内のテーマに関する補足です。

補足

ローファイ・ヒップホップ 近年の動き

直近ではディズニーが公式のローファイ音源を出しました。リミキサーには古株も多く、良い感じの顔ぶれです。

www.youtube.com

 

2022年3月17日のSXSWでは、こちらも古株jinsangらローファイのクリエイターがライブパフォーマンスを行いました。コロナ禍を経てリアルのど真ん中へ。

youtu.be

 

こんな感じで、今も引き続き盛り上がり続けるローファイ。個人的には、インタビューに書いた通りトリップホップ好きなので、以下のような顔ぶれが一番ピンときます。

www.youtube.com

そういえば、Nightmares On Waxの以下Mixがローファイ・ストリーミングにたどり着いたきっかけだったなーとか思い出したり。

www.youtube.com

SNSでの演奏動画の盛り上がり所感

新型コロナ禍となった2020年春以降、ロックダウン、ステイホームを機に各種プラットフォームに動画コンテンツが大量に増えたことは誰もが実感していると思います。楽器プレイヤーによる自身のパフォーマンス動画も例外ではありませんでした。

カナダのマルチ楽器演奏家Lula Li さんはその盛り上がりを象徴する存在のひとりではないかと思います。彼女は2020年4月にSNSにアップしたギターやハープの演奏動画が多くの人の目に留まり、Japanese Breakfastから声がかかり、一緒にツアーを同行し、88risingに所属し、2022年3月にはオリジナルアルバムをリリースするに至りました。

 

pitchfork.com

自分も気が付けばその渦中(の隅っこ)に身を置き、様々なクリエイターと交流するようになりました。2021年の2月にはRolandの公式グローバルアカウントから連絡をいただき、自分のパフォーマンスをリポストしてくれました。 

 
 
 
 
 
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ティール・ギター

ラップスティール・ギターは2011年に習い始めました。きっかけは東日本大震災。インタビューのとおり10代のころからその音色が好きで、いつかやってみたいかもとぼんやり思い続けていたところに起きた大災害を機に「いつ死ぬかわからないならやりたいことを全部やってみたい」と習得することを決めました。

ティール・ギターを演奏していると、ゾワっとするほど気持ちよくなったり、ときには眠くなったりします。弾いているのは自分なのに、指が直接弦に触れていないからか、普通のギターよりも主観的な視点が弱いから自分で気持ちよくなるのかな?

 

ティール・ギターは、エレキ・ギターの原点でもあります。

「スティール・ギターが生まれたことって、じつはエレクトリック・ギター誕生にもつながっている。フレッド・タヴァレスっていう、元は花形スティール奏者だった人がフェンダー社に入ったことで、ストラトキャスターが生まれたわけですから。結果誕生したロックンロールによって、スティール・ギターが使われる音楽って駆逐されていったんですけど(苦笑)、そのつなぎ目、ぎりぎりのミッシング・リンクにすごく興味がある。音楽をつくる側というより、研究する側としての視点ですけど」

インタビュー:音楽の“過去と未来”とを想像力でつないでみせる歌 高田 漣『ナイトライダーズ・ブルース』 - CDJournal CDJ PUSH

 

意外なことですが、初期のギターはマイナーな楽器でした。それまでのポピュラー音楽におけるギターは、和音を奏でるだけの伴奏楽器に過ぎず、他の楽器が様々に改良されていく中で、取り残された存在でした。
しかし、1930年代にアメリカでハワイアンミュージックが流行し始めると、新型ギターの製造にビジネスチャンスを感じた人物が現れました。ハワイアンミュージックの愛好家で自身もミュージシャン経験のあるジョージ・ビーチャムです。ハワイアンミュージックでは、主旋律を奏でる楽器としてギターを用いることがよくありましたが、アコースティックギターの音量では、大聴衆の前で演奏することは適さず、大音量のギターが望まれ始めていたからです。

https://www.mikado-d.co.jp/m-online/post-984

そういえば、ダウンテンポ以外にも、山塚EYEさんがSUN PM0:00というユニットでスティール・ギターを演奏されていたり、DJ MIXでも以下のスティール・ギターがフィーチャーされたハワイアンを使っていたんだよな。

www.youtube.com

こんな感じでハワイアンに対してオルタナティブな接点が常にあったのですが、トラディショナルなハワイアン音楽に造詣があるわけではありませんでした。ローファイ・ハワイアンに関してもコンセプトを楽しんでほしかったので、ハワイアンを弾くような純粋なスチールギタープレイヤーとしての評価を避けるように心がけていました。

ですが1年半続けた現在は、1世紀近く昔のハワイアン音楽に強い興味を持つようになっていますし、現役の好きなスチールギター演奏家もできました。動画を公開し続けたことでスチールギターをはじめてから10年が経ったいま、上手いプレイヤーになりたい、プレイヤーとして評価されたいとようやく少し思えるようになりました。

 

そんな感じです。インタビュー、よろしければぜひご覧ください!

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