フィッシュマンズ『Baby Blue』をカバーしたタイのバンドMalaiman Downtownと話したこと

先日、TikTokでおすすめ表示されたバンドによるフィッシュマンズ『Baby Blue』のカバーがとても格好よく、Xでシェアしたところ多くの反応がありました。

その後、Instagramのストーリーでも同様にシェアした流れで、バンドのドラマー・アイビーさんと相互フォローに。DMでのやりとりが始まりました。

彼らのバンドのこと、なぜフィッシュマンズをカバーしたのか、そしてタイのインディ・レゲエ・シーンについて教えてもらった内容をメモとしてこの投稿にまとめます。

長文ではありませんが、日本でも彼らが広まり、何かのきっかけになればうれしいです。

Malaiman Downtownについて

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beipana(以下b):ご自身のバンド Malaiman Downtown について教えてください。プロフィールなどはありますか?

I'vy Smile(以下I):ちゃんとしたプロフィールは特にないんです。始まりは、ボーカルがタイのバンド Srirajah Rockers にハマったことでした。彼らはいまではタイのインディー・レゲエ・シーンのトップバンドのひとつと言われています。

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もしかしたら知っているかもしれませんが、最近日本ツアーでライブもしていましたよ。

b:Srirajah Rockers、知っています! 今年来日してLittle Tempo のメンバー(Ticoさん)と一緒に演奏している様子をInstagramで拝見しました。

I:僕たちのバンドは彼らの影響から始まりました。正直、僕たちは演奏もまだすごく上手いというわけではないし、メンバーはほとんど美大生なんですが「とにかくレゲエをやってみたい!」という気持ちだけでやっています。
いまはアルバム制作中で、(本ブログ冒頭の)動画ではアルバム収録予定の新曲をライブで演奏しています。

フィッシュマンズ『Baby Blue』カバーのきっかけ

b:ショート動画での『Baby Blue』のカバー、とても素敵でした。Xでシェアしたら日本の方々からも多くの反応がありましたよ。なぜフィッシュマンズをカバーしたのですか?

I:最初は偶然の出会いでした。Asuka Ando さんの曲を聴いていたことがきっかけです。

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そしたらプレイリストでたまたまフィッシュマンズの 『Baby Blue』 が流れてきたんです。フィッシュマンズは厳密にはレゲエ・バンドではないけれど、『Baby Blue』は本当に素晴らしい曲。1996年の曲だと知って、本当に驚きました。こんなに昔の曲なのに、まったく古さを感じない!

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あと偶然、この動画にも出会いました。タイの有名バンド Modern Dog のボーカリスト Pod(ポッド) が、フィッシュマンズと一緒に『Baby Blue』を演奏しているんです。そのおかげで、この曲をもっと好きになりました。

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参考メモ
フィッシュマンズの2005年11月のツアー 〈FISHMANS presents “THE LONG SEASON REVUE”〉 にて11月22日・渋谷AX 公演でタイのロック・バンドModern Dogのボーカリスト Pod がゲスト参加。 

Modern Dog は1992年にバンコクで結成されたオルタナティブ・ロック・バンド。2004年のアルバム『That Song』は、ベル・アンド・セバスチャンやモグワイを手がけた トニー・ドゥーガン がプロデュース。90年代以降のタイ・ロックに大きな影響を与えたと言われています。

タイのレゲエ・バンド事情

b:タイのバンド CASTAWAY が日本のダブ・バンド Dry & Heavy の『Love Explosion』のカバー動画を今年公開しています。タイは現在、皆さんや彼らのようなレゲエ・バンドが多いのでしょうか?

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I:タイには ルーツ、ロックステディ、スカ、ラバダブ など、さまざまなスタイルのレゲエ・バンドがたくさんいます。とはいえ、レゲエはタイではあまり人気がなく、有名なバンドはほんの一握りです。日本ではレゲエが人気ですよね。

Dry & Heavy も、僕たち Malaiman Downtown にとって大きなインスピレーションでした。6〜7年前、僕たちが曲作りを始めた頃に彼らの音楽を聴く機会があったんです。

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b:私がレゲエにハマった入口は そのDry & HeavyやLittle Tempo、そして Fishmans でした。2000年前後の日本では、ダブ/レゲエがとても勢いがあったと記憶しています。
そして近年は ASOUND など皆さんの世代に近いレゲエ・バンドも活躍中です。

Malaiman Downtown が彼らのような様々な世代のミュージシャンと共演して、日本でもより多くの人の耳に届いたら素敵だなと思います。

I:いつかツアーで日本に行けたら最高だと思っています。チャンスがあれば絶対に行きます。お話できてうれしかったです。素晴らしい友情とサポートをありがとう。

b:いろいろなお話を聞かせてくれてありがとうございました!

あとがき&リンク

メンバーはまだ美大生だったとは。そういえばLittle TempoやSilent Poetsも武蔵野美術大学の学生時代にレゲエを演奏し始めたんだっけ。

突如のDMにも快く応じてくれたドラマー アイビー さんに感謝します。

現在、TikTokやInstagramなどのソーシャルメディアの演奏動画で注目を集めているMalaiman Downtown。このタイミングでお話を聞けたのはとても貴重だったかもしれません。

このメモが、リスナーはもちろん、日本の イベンター/メディア/音楽ライター/ミュージシャン の方々が Malaiman Downtown に興味を持つきっかけになればうれしいです。

Malaiman Downtown 関連リンク

書き手について

最後に、やりとりのきっかけはもちろん彼らのフィッシュマンズ・カバーですが、加えて アイビーさんが私のInstagramをフォローしてくれて、いくつかの演奏動画や自作リミックス音源に反応してくれたことも大きかったです。よろしければ

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